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11月7日(金) 立冬
晩春の季節に、 あたらしい紺の背広のことを夢みながら、毎日毎日はたらいてゐる。 と、詩人立原道造は友人に手紙を書き送ったが、わたしもまた11月のはじまりの日々を毎日毎日はたらいている。 わたしの場合は夢みることなんてなんにもなくて、ときどきさびしい指先をみつめるくらい。 ああ、 でも、 この週末は横浜に海を見にいくつもり。 そのときはせめてあたらしい靴下を履いていこう。 今日はお客さまの多い一日となった。 午前中に見えられたのは、瀬戸口靖代さん。 句稿をもってご来社くださった。 瀬戸口さんは、俳誌「天為」の同人であり、この度20年間の作品をまとめるべく第一句集を刊行されるのだ。 有馬朗人に師事し、「天為」ひとすじに来られた方である。 「有馬先生は細かいことはあまりおっしゃらない方です。自由につくれ、俳句の骨法は教えない、文法はあとからついてくる。わたしはプールをつくる、だからそこで自由に泳ぎ回りなさい、おのずと分かってくる。」 そして、 「句材、表現、発想が新しいものを採る。」と。 「師から大事なことを学び、先輩たちから細かいことを教えてもらいました。句集をつくるための20年という年月は必要でした。20年で自分にたくわえるものができたように思います」 佐世保のご出身の瀬戸口さんは、うかがえば隠れキリシタンに連なる方であるという。 この度の句集もまた、ご自身の原点に深く根ざし、情趣の厚みのある句集である。 「田中裕明は大好きな俳人です。『夜の客人』はいまでもよく読み返します」と帰りがけにおっしゃられた瀬戸口さんであった。 午後からは、俳誌「夏日」(望月百代主宰)の古在路子さんと渡辺紀子さんが松戸からご来社くださった。 お二人とも句集刊行のご予定があり、まずはふらんす堂にいらしてくださり、いろんな句集をご覧いただいたのだった。 仙川ははじめてというお二人に武者小路実篤公園についてご案内をしてみた。 「是非に」ということでお二人はその方向に向かわれたのであるが、 バタバタしていてわたしがご案内ができなかったのが残念。無事にたどりつくことが出来たかしら。 ご案内してさしあげればよかったと思うばかり。 そしてもうお二人の方が見えられた。 徳永静子さんと藤山八江さん。 徳永静子さんは、俳誌「蘭」(松浦加古主宰)同人。 前句集『絵蝋燭』を刊行されてよりおよそ10年ぶりの第2句集を上梓すべくいまおすすめしている。 今日は装丁の相談に見えられたのだった。 藤山八江さんは第1句集『絵蝋燭』で跋文を寄せられた俳人である。 徳永さんにとってたよりがいのある俳句のお仲間でおらるのだ。 10年ぶりでお会いした徳永さんであったがお元気なご様子でとても嬉しかった。
by fragie777
| 2014-11-07 19:45
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