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8月19日(火)
今日、実は家に帰るのがコワイのである。 昨夜、大好物のアイスクリームをたくさん買って帰った。 ここ数週間ほど、わたしのまわり5メートルくらいにはアイスクリームを近寄らせないよう、わたしは見事なくらい自分を律していたのである。 それは自分でもほれぼれするくらい立派だった。 ところが、いかがなものか…… 昨夜立ち寄ったクイーンズ伊勢丹でわたしの丹田の力がふっとゆるんだそのスキをついて、わたしのまなじりがとらえたもの。 な、なんと、 今年の夏にたべて最高にうまいと思った明治の少し高めのカップアイスたちが美しく並べられておかれてあったのである。 ひさしぶりの出会いであった。 このアイスクリーム、わたし以外にも評判がよいとみえ最近とんと姿を見つけられなかったものである。 おお!! とわたしは叫び、丹田の力は緩みっぱなしでそこに走りより、もうひとりのyamaokaがとめるのもきかずそれらをわしづかみにして籠の中に入れたのだった。 家に帰り冷凍庫にきちんとしまい、まず昨夜一個を食べた。 思ったとおり美味であった。 「ここに入っているカップアイスはたべちゃダメ!」と宣言をしてあるので、よもや誰もたべるまい。 しかし、今朝のことであった。 一つなくなっている? 誰か食べた?! いいや、そうではない。 冷凍庫をあけてアイスにそっと触ったら、ややっ、アイスがやわらかい! ええ、ええっつ そんな馬鹿な。 冷凍庫をきちんと閉めなかったのかもしれない。 わたしは引き出し式になっている冷凍庫をなんどもしめなおし、調節温度を「強」とした。 その後出社したのである。 そしてふっと思ったのだ。 ひょっとしたら冷凍庫がそろそろイカレテしまったのかもしれない。 どうしよう、 あらゆるものが溶けだししてしまっていたら。 冷凍庫のなかが混沌と化していたら、 ああ、考えただけでも、 ぞっとする。 そう思ってしまったら仕事に身がはいらない。 ああ、 どうぞ、 冷凍庫が気をとりなおしてもう少しがんばってくれますように。 わたしの日頃のぞんざいな扱いを許してくれますように。 今度はきちんと丁寧にしめますので。 わたしの家には20世紀から21世紀にかけて働きつづけている冷凍冷蔵庫がいて、 目下わたしの命運を支配すべくわたしの帰りを待っているのである。 コワイ!! (アイスクリームが溶け出していたら、わたし全部食べちゃうかも。ああ、それもコワイ) 今日の船団ホームページは、平石和美句集『蜜豆』より。 飲み干して重くなりたるビアジョッキ 句集『蜜豆』(ふらんす堂)から引いた。確かにビアジョッキってこんな感じだ。中身がなくなっているのだから、実際は軽くなっているはずだが、心理的に重く感じてしまう。このような心理的感受はいろいろな場面にある。好きな人のそばにいると、あっという間に時間がたってしまうのなどもその例。作者は昭和22年生まれ。以前に確かこの人のエッセー集『畳ひかりて―飯島晴子の風景』を紹介したことがある。 坪内稔典さんが書かれている平石和美著『畳ひかりて-飯島晴子の風景』は、すぐれた一書である。好評のうちにあっという間に売れ残念ながらふらんす堂に在庫がない。著者の平石さんはあるいは少しお持ちかもしない。 さっ、 勇気をもって帰ろう! 皆さんも祈ってくださいませ。 わたしのアイスたちが無事でいることを。 そしてわたしが安堵の思いでそのなめらかな一さじを口にすることができることを。
by fragie777
| 2014-08-19 20:03
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