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7月12日(金)
昼顔に猫捨てられて泣きにけり 村上鬼城 「じゃ、行って来るわね」とわたしは猛暑のなかへと飛び出した。 『猫帖』の行商に行くのである。 友人のやっている輸入ブランドのセレクトショップに置いて貰うためである。 そこには猫好きのお客さまが結構いるのだ。 まずは『猫帖』を10冊ほど置いてもらおうというものである。 「他にお願いできるところないかしら」 「あそこの眼鏡屋さんはどうですか」 「ペットショップに置いて貰ったら……」 「ウーン、そ、そうよね」とは言ったものの、やはりなかなか気合いがいる。 で、今日は友人の山口さんにお願いするのみで、意気地なく戻ってきたのである。 「ふらんす堂通信137号」のゲラがわたしの机にある。 目を通さねばならないのだ。 (それにしても盛りだくさんだな……) スタッフのPさんが編集にかかわるようになってから、内容は俄然面白くなったのであるが採算を考えないで突っ走ってしまうので、ハラハラしていることもある。 今回「編集後記」で触れられなかったのであるが、面白い読み物に吉本隆明が俳句について書いたものがある。かつての「ふらんす堂通信」の「一句の風景」という連載に原稿をもらったものである。ある時、山梨にお住まいの吉本隆明研究家の宿沢あぐり氏という方からお手紙をいただいた。この方は吉本隆明に関するあらゆる資料を集めておられる。その手紙には、吉本隆明が俳句について書いたものはきわめて少なく、調べていたら「ふらんす堂通信」にぶつかったというのだ。それをどうにか入手したいとおっしゃる。そこでさっそく「ふらんす堂通信」を調べたのであるが、管理の悪いyamaokaゆえに、いったい何号のものか、それがどこにあるのか、おおかたバックナンバーは揃っているのだが、吉本氏の「一句の風景」だけは見つからない。宿沢氏にそのことを素直にお話し、ともかく探しづつけることをお約束した。その後一年以上経ったであろうか。ある日再び宿沢氏よりお手紙をいただいた。開けてみるとそこにはなんと「ふらんす堂通信32号」のコピーがあり、吉本氏の「一句の風景」がある。手紙には古本屋さんで見つけ出し、いまだ見つけられないふらんす堂にそのコピーを送ってくださったのだ。わたしはさっそく宿沢氏に御礼の電話をさしあげ、再び「ふらんす堂通信」誌上で再掲載することを申上げ、それをまたお送りすることをお約束したのだった。 吉本隆明が、いったい誰の句について書いたのか。 興味のある方はいま想像してみてください。 そして「ふらんす堂通信」で、あなたの想像が当たっていたかどうかを確認してみてくださいませ。 結構有名な句です。 それでは、「ふらんす堂通信137号」をお楽しみに! 明日からちょっと遠出をします。 でも何にも準備もしていないし、いったい私は何時の電車に乗るんだろうか、 それも知らない。 目先5ミリしか見えないyamaokaである。 来週末は、第四回田中裕明賞の授賞式である。 すべての準備は来週からだ。
by fragie777
| 2013-07-12 20:18
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Comments(2)
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