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1月26日(土)
はればれとして力強い。 木はおしなべて好きだが、わたしはこういう冬木がいちばん好きだ。 と言っても、木がいいなあ……なんて思うようになったのは、ここ十年くらいかなあ、むかしは空を見上げる余裕なんてなく、あくせくと人間関係のただ中で角つきあわせたり、家ン中で「おらあ、水こぼすんじゃねえよお…」とか叫んだり、胴回りの太さを気にしたり、ローンの返済のことで頭をいっぱいにしたりして、極めて形而下的散文的に生きていたわけである。 いまは春夏秋冬の木々を眺めたりして、「いいわねえ…」とか言ってため息なんてついたりしているけど、じゃ、そういう散文的な悩みがなくなったかというとそんなことは決してなくてあいかわらずアクセクしているわけで、やっぱ歳をとったおいうこともあるのかしらん、木がいいわねえ、とか思ったりするのは。 いや、待てよ、若手俳人の高柳克弘さんは、あの若さで「枯木が好き」だって言っていたよね。 渋い!!あまりにも渋すぎる。わたしはあのくらいの歳のときは地球上に木々が存在することも気がつかなかったほど何かをすっとばして生きていた。 「枯木が好き」だなんてやはり俳句の道にすすむだけの素養があるのだ。(もっちろん枯木が好きな人がすべて俳人ということではありませんが…) 「ふらんす堂通信135」でも発表になったが、2012年の「ふらんす堂句会」の年間賞が発表になった。 片山由美子氏推薦 重き袖振つてみせたる七五三 岡田好恵 三村純也氏推薦 一ト差しを舞ふごと枝垂桜かな 今井嘉子 高柳克弘氏推薦 相撲見つ春キャベツ鍋へすべらせつ 下山田みお 岸本尚毅氏推薦 漫然と初冬辺りを過ぎんとす 峯 譲 鳥のやヽ減る池にきて薄氷 石井ケエ子 今井嘉子さん(三村句会)にお写真をお願いしたところ「恥ずかしい」ということでお写真は残念ながらありません。 「年間賞」ご受賞のみなさま、おめでとうございます。
by fragie777
| 2013-01-26 18:38
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