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8月16日(木)
「行って来ましたよ」 と深見けん二先生より電話がある。 「えっ、どこへ?」 とわたし。 「アハハハハ……東京堂ですよ!」 あちゃあ。 「あらあ、まあ、この暑い時に!」 と慌ててトンマな返事をかえす。 「大変だったでしょう。一冊一冊に帯をかけるのは。」と先生。 「ええ、若いスタッフが頑張りました。 ところで先生、芳名帳にお名前を書いてくださいました? 行って下さっても書かない方も結構いらっしゃるんですよ」 「書きましたよ! 役に立たないことも書きましたが……」 「わああ、有難うございます!!」 とわたしは電話のこちら側で電話器に向ってお辞儀をしたのだった。 残暑の厳しいなか、埼玉県の所沢より奥さまの龍子夫人と二人でふらんす堂のブックフェアにお出かけ下さったのだ。 お気持ちに頭が下がるばかりである。 有難うございました。 その深見けん二先生より、「ふらんす堂通信133号」について感想をいただいていた。 素敵な『遠山』を読むの特集をしていただき有難うございました。五人の詩人の方が選ぶ句が全く違い考え方も違い、併し虚子俳句の特質をそれぞれ書いていることが面白かったです。村上鞆彦さんは流石に虚子をよく読んでおられ虚子の句が俳句という考えと、それでよいかという気持(それは誰にもある)がよく出ています。 インタビュー・大木あまりは読み手があります。花鳥来の人の句集二つの評ものせていただき有難うございました。 そういえば先日東京堂でお目にかかった思潮社の編集者の出本(いずもと)さんも、「ふらんす堂通信133号」の『遠山』の特集を面白く読んだとおっしゃっていた。 「週刊俳句」の「月曜日の一句で、相子智恵さんが対中いずみ句集『巣箱』の句を鑑賞している。 盆唄や星の林といふべかり 「〈星の林〉というべきだろう」と作者は言う。きっと、林の暗い影の上に、見事なまでの星空が広がっていたのだろう。〈星の林〉と省略して幻想的な世界が広がった。 一部を引用したが、相子智恵さんは、この句集『巣箱』について次のように書いている。 『巣箱』という句集には、全体的にこうした“遠さ”の美しさがある。むろん、描写する景が遠いというような物理的なことでは決してない。見えているものの奥に余韻として広がる“遥けさ”のことだ。感覚的な物言いで恐縮だが、その“遠さ”はきっと、詩にとって、とても大切なものだと思う。 相子さんは「遠さの美しさ」があると書く。それは「遥けさ」であり、詩にとってとても大切なものだと。この一文を読んでわたしは、ハッシと膝を打った。対中いずみという俳人が田中裕明の弟子であることをすぐに思い出したのだ。田中裕明の作品が内包する「時空」が、対中いずみの「遠さ」によって引き継がれているのだ。 対中いずみの「遠さ」は田中裕明の「時空」に触れている。 「裕明は『時空』という言葉が似合う俳人だった」と書いたのは岸本尚毅だ。 わたしは句集『巣箱』を目の前にして、俳人田中裕明がその弟子対中いずみに托したもののことを改めて思ったのだ。 まだこのブログで紹介していないのだが、山田航歌集『さよならバグ・チルドレンがすでに品切れとなってしまい、再版に取り掛かった。 山田航さんの第一歌集、『さよならバグ・チルドレン』!装丁は美しすぎて泣けるほど。ほんのりとノスタルジーを纏うタイトルと水彩画を、きっぱりとした清潔感の中にまとめている。そして冒頭があの「夏の曲馬団」!この夏にこの本を手に取れることの幸せ。 鯨井可菜子さんのツイートである。 水飲み場の蛇口をすべて上向きにしたまま空が濡れるのを待つ 山田航「さよならバグ・チルドレン」 飯田有子さんのツイート。 r 山田航さん『さよならバグ・チルドレン』のプロフィールページ。うん、いい気合いです Nowtucker O.さんのツイート。 【2階文学】2009年に角川短歌賞と現代短歌評論賞を初のダブル受賞した歌人、山田航さんの第一歌集『さよならバグ・チルドレン 山田航歌集』(ふらんす堂)が発売となりました。穂村弘さんとの共著『世界中が夕焼け』も好評発売中です。 新宿紀伊国屋本店さんのツイート。 などなど他にもいろんな方がツイートをしている。 この歌集については明日このブログで紹介する予定である。
by fragie777
| 2012-08-16 19:28
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