カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
8月12日(日)
写真を撮っていたら中年の男性が近づいてきて、「これ何ていう花?」と聞くので「さるすべり」って教えてあげた。 こういう時ってどうします? たとえば、「百日紅って書いてさるすべりって言うんですよ。」とか、「百日間、花が咲き続けるからひゃくじつこうとも言うんですよ。さるすべりって言うのは、木肌がすべすべしていて猿がすべるからそう言うんだそうです」と自か分が知っていることはできるだけ教えてあげます? わたしはそういう時あんまり親切じゃないな。聞かれたことのみぶっきらぼうに答えることが多い。(興味をもったらもっと調べてごらんなさいよ。いろいろと分かるから……)と心の中でそっと呟いて、もうそれだけ。反対にわたしが尋ねた時にいろいろと親切に教えて下さる方がいて、そういうことがきっかけで人間関係が発展していくことだってある。いろいろ教えてもらうのはサンキューって思うのだけど、わたしはどっちかというと人間関係が発展していくのは苦手かも、結局不親切なのかもね……。 その女性(ひと)は、一人暮らしをしながらピアノを弾くことを秘かな愉しみにしていた。小さな頃からピアノを習っていて女学校を卒業しすぐに結婚したものの戦後の貧乏な暮らしのなかでもピアノとともにある暮らしを唯一の贅沢とし、今日まで生きてきたのだった。夫をはるか以前に亡くし、マンション暮らしとなっても防音装置をつけて一人でピアノを弾きつづけてきた。 しかし、もうピアノは要らないという。処分して欲しいと。 病院のベッドの上で痩せてしまった自分の腕を見詰めながら、「もう、いいのよ、捨てちゃって…」とあっさり言って黙って天井を見つめている。 (あれほど好きだったピアノなのに…) 「……、捨ててしまうのは勿体ないから誰か欲しい人に貰ってもらいましょう」とわたし。 そして複雑な心持ちのまま病院をあとにしたのだった。 青空に行き場を失ったピアノがさびしく浮かんでいた。 昨日の「増殖する歳時記」は、今井肖子さんによって金子敦句集『乗船券』より。 さざなみの形に残る桃の皮 日本古来の桃の実は小粒で、産毛が密生していて毛桃と呼ばれ〈苦桃に戀せじものと思ひける〉(高濱虚子)などと詠まれているが現在、桃といえば白桃、色といい形といい、はにかむように優しく、甘くてみずみずしい果実の代表だ。その皮は、実が少し硬めだと果物ナイフで、熟していると指ですうっとはがすように剥けるが、この句の場合はナイフで剥いたのだろう。皮の薄さとところどころに残る果実の水気で、林檎や梨とは違う静けさを持って横たわる皮、そこにさざなみの形を見る感覚は、桃の果実同様みずみずしい。〈無花果の中に微細な星あまた〉〈なんでもないなんでもないと蜜柑むく〉など果物をはじめ、食べ物の佳句が印象的な句集『乗船券』(2012)より。 わたしも今朝桃を一個食べた。 包丁で汁をしたたらせながら桃を剥き、ザクザクと四つほどに切って、ムシャムシャとやはり汁をしたたらせながた食べた。 わたしは指でむけるような柔らかい桃よりも少し酸味がある固めの桃の方が好き。 どうしてかっていうと固いほうがどこか梅(!)の香りと酸味を感じ、その風味が好きなのよね。 明日は朝から普通にわたしは仕事をする予定。
by fragie777
| 2012-08-12 19:47
|
Comments(3)
|
ファン申請 |
||