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2月13日(月)
ふらんす堂の出版物のなかで活版印刷のしめる割合は決して多くはないがそれでも毎年活版印刷をして欲しいという要望がお客さまよりある。 それは版元にとっては嬉しいことだ。 しかし、 活版印刷がいま危機に瀕している。 廃業がつづき活版印刷にかかわる職人さんがどんどんいなくなっているのだ。 東京都内で活版をやっているところはいったい何軒くらいあるのだろうか……。 ふらんす堂でも昨年末にちょっと困ったことが起きた。 本文を印刷しようと思った矢先、活版印刷専門の印刷屋さんの親方が体調をくずしそのまま辞めてしまったのだ。 きれいな印刷をしてくれるので頼りにしていたのだ。 組版専門の金井印刷さんは頑張ってくれているのだが、印刷ができないとあってはと、途方にくれた。 都内の活版印刷を専門にするところをなんとか探し出そうと、わたしたちも印刷屋さんもいつくかの情報を手掛かりにいろいろと当ってみた。並木製本さんもまきこんで探してもらった。 見つからない…… 頭をかかえていたところに、一軒あったと情報が入った。 「ただし、おじいさんが気ままにやっているところなんで、急ぎ仕事は無理です」 と金井印刷さんは言う。 (ご年配で暮らしには困らず趣味で仕事をされているらしいとかの情報。) ウーン、困ったな……、 しかしなんとか先へすすまなくてはいけない。 ということで、お願いすることにした。 今年になってその刷り取りが上がってきたのだが、それを見て、 ムムムムム…… 言葉を失った…… う、うつくしくない。 (ある程度の刷りむらは活版の味ともなるのだが、これでは……) ふたたび頭をかかえた。 このまま進めるわけにはいかない。 急いでストップをかけ、もう一度やり直してもらうように頼みこんだ。 相手は職人さんである。 しかも気が向いたときにしか仕事をしない、という職人さんだ。 なんとか金井さんにとりなしてもらい、もう一度頑張ってもらうことにした。 もうすぐ刷り上がってくるのだが、 奇麗に仕上がって欲しい……と祈るような気持ちである。 活版印刷は危機的な状態です。 後継者がいないということも問題です。 なにか情報があったら教えてくださいませ。 活版印刷が地球上から消えてしまうことだけは避けたいと思っています。 本づくりをする人間たちが情報を交換しながら、職人さんでなくては出来ない本づくりを残していきたいと思っています。 それは、活版印刷にかぎらず、背継表紙やフランス装や函製本など本造りにかかわる職人さんすべてに言えることです。 いえいえ、あたたかな春の日差しにまったりとしている殿方のよう。 ケータイを眺めているのかしら、それとも俳句でもつくってるのかしらん。
by fragie777
| 2012-02-13 19:12
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Comments(2)
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