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1月28日(土)
神戸より今もどったところである。 今日はスタッフのPさんとフリーカメラマンの各務あゆみさんとともに神戸にお住まいの後藤比奈夫先生宅をお訪ねした。 いますすめている散文集にいれる口絵の写真を撮影することが主な目的である。 今度の散文集はご自身を回顧しておられることが主となっているので、それにまつわる思い出の品々などを口絵として入れたいというこちらの希望に応えていただいたのである。 先生の愛用のお品や後藤夜半にまつわるものなども撮らせていただくべく大方のこちらの希望は申しあげておいたので、それらのものはご用意くださっているに違いないとは思っていた。 しかし、である。 ほかにも期待するものがあった。 後藤比奈夫先生の身の回りにはきっとステキなグッズが沢山あるだろう、という思いがあったのだ。 先生は少しも気づかなくて、でも私たちの目からみたら「とってもステキ!」というものがあるに違いない。 なにしろすべてが自然体のお方なので、ことさら何かをご自慢なさるようなことはぜったいなさらない。 「ステキなネクタイですね」って申しあげても、 「そうですか……、フフフフフ」っていう具合だから。 (お召しになっているスーツなどは、とびきりの趣味の良さである。すべて英国製の生地を使って何十年来の仕立て屋さんが仕立てるというものである。) 今日もきっちりとスーツを着こなしてわたしたちを迎えてくださった。 本当にたくさんの写真を撮らせていただいた。 俳句のことも沢山お話くださった。 夜半先生の句帳をみせていただいた。かの有名な「滝の上に水現はれて落ちにけり」がはじめて記されたものである。「滝」の句がたくさん書かれている一番はじめにそれは書いてあった。 (ああ、これが……) と感激した。 「おやじはね、しつこくてね、おんなじ季題でたくさん作るんですよ。」って比奈夫先生は笑いながらおっしゃる。 その句帳もカメラマンの各務さんがすべてカメラにおさめたのだった。 先生の愛用のネクタイも万年筆も撮影した。 可愛くて美しいでしょう。 「先生、これステキですね」って申しあげても、 「ほう、そうですか……」って、とても恬淡とされている。 そこが本当にいいのだ。 「粋」というのはこういうお人のことを言うのだと思う。 今日お話いただいたことはこの散文集にも収録し、あるいは「ふらんす堂通信」にも掲載したいと思っている。 比奈夫先生のお嬢さまの淹れてくださった美味しいお茶とケーキをご馳走になって、わたしたちは、先生が住まわれている「高羽字瀧の奥」をあとにしたのだった。 ふらんす堂にもどると「俳人協会賞」の連絡が来ていた。 今日決定したのだ! 第51回俳人協会賞 句集『春のこゑ』(角川書店) 辻田克巳 句集『夏木』(ふらんす堂) 山本洋子 第35回俳人協会新人賞 句集『雲の座』(ふらんす堂) 押野 裕 第26回俳人協会評論賞 『高浜虚子 俳句の力』(三省堂) 岸本尚毅 『壺中の天地』(角川学芸出版) 中岡毅雄 ご受賞された皆さま、おめでとうございました。 心よりお祝いを申しあげます。
by fragie777
| 2012-01-28 23:43
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