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11月15日(火)
さっき、きいちゃんがやって来て、猫パンチを食らわせて棚から落っことしていた。 今日はいろいろとお客さまがお見えになった一日となった。 まず深見けん二先生ご夫妻である。 いま、ふらんす堂文庫の一環として高濱虚子精選句集の刊行をすすめている。 その編集と解説を深見けん二先生にお願いをしたのだ。 すでに原稿をいただきそれはゲラとなって深見先生のお手元にあり今日はそのゲラを持って龍子夫人とともにご来社されたのだった。 いつくか打ち合わせをしなくてはいけないこともあり、そのことのご説明をいただかなくてはならなかった。 わたしとしては虚子精選句集は念願のもので、その選と解説を深見先生にお願いしたのだ。先生は、膨大な虚子の作品をどう選出するか、ご依頼をしてから一年余の今年の初夏のころ、「虚子の花鳥諷詠ということをテーマにして選句をしてみます」というお返事をいただけたのだった。虚子の作品から「花鳥諷詠」ということを念頭に選んだ426句をもって精選句集の原稿が出来上がった。 深見先生は昨年、NHKカルチャーラジオのテキスト「選は創作なりー高濱虚子を読み解く」を執筆され、それは虚子の選句と俳句を理解するうえでの必読書ともいうべき内容の充実したものである。その仕事を通して改めて虚子の「花鳥諷詠」について思いを深くされたという。そこでこの精選句集によって、「俳句自体で花鳥諷詠を考えてみたい」ということが今回のテーマとなった。 こうしていま刊行をすすめているのが高濱虚子精選句集『遠山』である。 「とおやま」…… いい句集名だ。 沢山ある虚子のテキストとなる句集からどう選句をされたか、そのことをこんな風に図解しながら先生はわたしに説明をして下さったのだ。 虚子の句集の編者として最も信頼に足るお方である。 って、こんなそそっかしくてずぼらなわたしが言うのは生意気よね。 だからわたしだって心しております。 深見けん二先生のお気持ちに応えるようにちゃんとした本にしなくてはいけないと……。 刊行は来年の2月の予定である。 いろいろと虚子についてお話されたあと、深見けん二先生がポツリと一言おっしゃった。 僕はね、こんな風に虚子先生、虚子先生って言ってその作品を何度も読んでるけど、読めば読むほど虚子っていったいどんな人だったんだろうって、つくづくよく分からないね…… 虚子のとの真剣勝負のはてに出てきたことばだ、だから、ズシンと胸こたえた。 「きいちゃんに悪いわ…」って言いながら龍子夫人は黒猫のぬいぐるみをくださったのだった。 夕方には小澤實氏がご来社くださった。 実は来年のホームページの連載「俳句日記」を小澤實さんにお願いしてある。 そのことの打ち合わせにいらしてくださったのだ。 来年の「俳句日記」はこれまでのものと少しおもむきを変えて、「日記」であるということを強調したものにしたいと思ったのだ。 だから、作品だけでなく、散文も書いてもらい、「日記文学」としての「俳句日記」という色合いを強くしたいと思ったのだ。それは、東直子歌集『十階』や岡井隆歌集『静かな生活』などの反響の面白さもあって、「俳句」というジャンルでも「日記」ということで一つの読み物にならないか……、そういう試みをしてみたいと思ったのだ。 書き手によっては面白いものになるはずだ。 そこでさっそく小澤實さんにお願いをしてみた。 快諾をいただき、その打ち合わせのためのご来社だ。 小澤さんからのご意向は、「日記」ということに重点を置きたい、ゆえにリアルタイムのものにしたいということ、だから1月から始めるがそれは12月の日記となってつまり実際におこったことがそこに日記として綴られていく、というものだった。 「日記」であるならそれは本来そうであるべきで、私たちもイメージしたものはそうだ。 ということで来年の「俳句日記」は、俳人小澤實による日記がはじまる。 楽しみにしていただきたい。 僕は最近、作品を発表するまで作品を2,3年置きます。そうするのは、自分の句に対する思い込みが無くなって、作品そのものに向き合えるような気がするからです。しかし、今回の『俳句日記』の場合、出たとこ勝負のような感もあり、自分でも何が出てくるかわからない面白さがあります。 と小澤さん。 一年間は長くて大変であると思うが、楽しんでやって頂きたいと思う。
by fragie777
| 2011-11-15 19:36
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