カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
10月16日(日)
秋晴れの素晴らしい一日となった。 今日は日比谷にある帝国ホテルで、俳誌「馬酔木」の創刊90周年のお祝いの会がある。 水原秋櫻子を創始者とする俳誌「馬酔木」は90年となる。そして今の主宰者である春郎氏はその「馬酔木」と同じ90歳を迎えられる。 傘寿を迎えられた春郎氏は、ご挨拶で主宰の座を副主宰の徳田千鶴子氏にゆずられることを発表された。 息子であった私より孫である千鶴子の方がずっと父・秋櫻子をよく知っていると思います。わたしは父が起きる前にはすでに仕事にでかけ、父が寝てから家に帰ってくるという生活でした。千鶴子は父の晩年には運転手として父につきそっていつも一緒に出かけておりました。この度千鶴子が主宰となることで「馬酔木」が新しくなることをのぞんでいます。わたしもそばにいてできることは手伝いしっかりと新しい「馬酔木」を見守っていきたいと思います。 とご挨拶をされたのだった。 来年の一月号より、水原春郎氏は名誉主宰、徳田千鶴子氏が主宰となるということである。 徳田千鶴子さんのご挨拶を伺いたかったが、どこまでも控え目なお方である。 さきにふらんす堂より徳田千鶴子第一句集『花の翼』を刊行させていただいた。 徳田千鶴子さんは結社のことでご尽力されてきた方だ。ご自身のことはいつも後回しになってやっとこの度の句集の刊行となった。この句集が第一句集であることに驚いておられる方もいる。 しかし、内容の濃い完成度の高い句集となった。 今日は跋文を書かれた野中亮介さんが司会をつとめられ、落ち着いた雰囲気のなかで丁寧に会は進行していったのだ。 ふらんす堂は、この会のために水原春郎主宰の句集『寿(いのちなが)』をおつくりさせていただいた。 「寿」と書き、「いのちなが」と読む。 ご存知でした? わたしは始めて知りました。 この本の装丁は和兎さん。 フランス装で筒函入り。 上品にそして華やかな本になることを心がけてもらった。 家の椅子の上において急遽撮影したもの、この椅子ちょっと毛羽だっているのだ。 実は猫たちが爪とぎをした痕である。 ほかに適切な場所がなくお見逃しを。 水原春郎先生は「すごくいいのができて満足です」とおっしゃってくださった。 水原春郎先生、徳田千鶴子主宰、そして「馬酔木」の皆さま、90周年を迎えられおめでとうございます。 心よりお祝いを申しあげます。 あたらしい「馬酔木」がいっそう輝きますように……。 閉会となって会場をさるときに、 「ふらんす堂さん! 秋櫻子句集『群青』良かったよ!」 って男性の方が声をかけてくださった。 「ありがとうございます!」って申しあげたら、そばにいた方が拍手をしてくださった。 すご~く嬉しかった! 版元にとってこういう言葉が一番嬉しいのだ。 勇気づけられる。 それともうひとつ嬉しかったことは、わたしの郷里の「秩父囃し」の太鼓演奏が秩父農工科学高校の学生たちによってなされたことだ。 ああ、わたしぃ、こんな激しい太鼓を聞いて育ったんだって……。 だからさ、わたしをナメルと怖いよ。 っていうのは冗談、冗談……。 今日の毎日新聞の新刊紹介は、二冊がふらんす堂刊行の本である。 まず最初は、山本洋子句集『夏木』。 みづうみにざぶざぶ入りぬ夏花摘 07年からこの夏までの作品をまとめた第6句集。季節の移ろいがゆったりとした言葉でとらえられている。関西の風土を背景におおらかでどこか懐かしい世界が広がる。 もう一冊は、徳田千鶴子句集『花の翼』。 ラ・フランス山荘の夜を香りけり 著者は水原秋櫻子を祖父にもち、2年前より「馬酔木」副主宰を務める。今年創刊90周年を迎える結社の伝統を受け継ぎつつ、現代に生きる女性の柔軟さを感じさせる作風。 来週もいろいろと忙しい日々となりそうである。 今の季節はとても気持いい。 時間を大切にしましょうね。
by fragie777
| 2011-10-16 23:10
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||