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9月21日(水)
台風のまっただ中でこのブログを書いている。 スタッフは全員すでに帰ってしまった。が、彼女らは京王線に乗ることができただろうか……。 心配をしている。 スタッフの一人のあえて名前をあかなさいが〇〇さんは、なんとこれから赤坂まで芝居を観に行くのだという。 「中止にならないの?」って聞いたところ、会場に電話をかけたら「やります」ということだったらしい。お客さんたちはどうするんだろう? 「チケット代がはんぱじゃない金額なので……」ということで意地でも会場までたどりつくって言いながら出て行ったのだけど……。 あらららら…… このブログを書いていたらその当の本人が、「千代田線も止まっちゃって……」と戻ってきた。 まっ、仕方ないわよね。 わたしもこのブログを書き終えたら早々に帰るつもりである。 中村草田男精選句集『炎熱』(横澤放川編)と水原秋櫻子精選句集『群青』(徳田千鶴子編)の見本が出来上がってきた。 帯の色が両方とも鮮やかでどちらも向日性のある俳人なのでいいんじゃないかって思う。 『炎熱』より 秋の航一大紺円盤の中 曼珠沙華落暉も蘂しべをひろげけり 万巻の書のひそかなり震災忌 白墨の手を洗ひをる野分かな 鰯雲この時空のまろからず 軍隊の近づく音や秋風裡 ふりかへる秋風さやぎ已にとほし 雁渡る菓子と煙草を買ひに出て 『群青』 風雲の秩父の柿は皆尖る わがいのち菊にむかひてしづかなる 白菊の白妙甕にあふれける 穂芒の暮れてぞひくき渡り鳥 門とぢて良夜の石と我は居り 十六夜や鉢なる蓮の露こぼれ 柿干してけふの独り居雲もなし 吹かれては波よりしろし秋の蓮 それぞれ最初の方にある秋の季節のものを選んでみた。 向日性とさきほど書いたけれどやはり戦争を体験し昭和という時代を生きた人間のもつ心象の陰影がある。 この二冊を手にして、 とうとう刊行することができたんだなあって感慨深い。 窓の外は風雨が吹き荒れてすさまじい様子であるのだが、わたしの心はしみじみと静かに満足している。 横澤放川さま、徳田千鶴子さま、ご尽力をありがとうございました。 いよいよ暴風圏になるという。 もう帰ります。 けど、帰れるかな……
by fragie777
| 2011-09-21 17:07
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