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4月6日(水)
いまふらんす堂のHPの連載サイトで「素十の一句」を執筆している日原傳さんは、4月から中国におられる。 交換研究員として北京大学に一年間滞在されるのだ。俳人の明隅礼子夫人と小さなお子さん二人も一緒である。お原稿をいただいたメールに、 「執筆の時間を探し出すのが大変です。」 とあった。この連載をお願いしたときにこの中国滞在のことは決まっていて、そのことでちょっと躊躇されたのだが、いまはメールで原稿をおくることもできるのでと、大変さを顧みず引き受けてくださったのだ。 そうであっても、やはり生活になれるまで何かと大変なことが多いと思う。 丁寧な仕事をされる日原さんであるからこそ、あまり無理をなさらないようにと申し上げたい。 (しかし、この「素十の一句」については、誰よりもわたしは楽しみにしているのだ。) 新刊句集を紹介したい。 久永つう句集『瀬戸の海』。著者の久永つうさんは、俳誌「六花」(山田六甲主宰)に所属し、78歳で孫のような若い「六花」の副主宰であることりさんに師事し俳句を始めたのだ。そのことを主宰の山田六甲氏は次のように序文に書く。 この句集は「29歳の師匠」と「78歳の弟子」とが出会って5年間に渡る俳句を共に楽しんだ結晶である。師匠とは六花俳句会・副主宰ことりで、弟子は六花同人の久永つうさん。その師弟の年齢差がなんと49歳。(略)孫のような師匠に基本から学び直そうと決心したのが平成19年80歳の時。ほどなく「六花」へも入会、瞬く間に同人に昇格。通常この年齢になると体力も気力も衰え、現状維持か下落するはずなのに、晩々学の出発にあってぐんぐん上昇していく。 この五年間の結晶がこの度の第一句集の刊行となったのである。 波頭崩れては引く春の潮 沖からの風に若布の干されあり 遍路笠二つ並んで遠ざかる 秋出水芥の中に赤き花 枯蓮の触れあふ音に風生まる 雨脚を弾き飛ばせる濃紫陽花 如月の空眼よりこぼれけり 夕闇の包む緑陰よりの声 川音を抱きて霧の流れけり 触れ合うて音なき藤の盛りかな この句集の刊行をすすめているときは著者の久永つうさんは闘病中で、「あとがき」はことりさんが書かれ、句集作成のすべては主宰の山田六甲氏に一任されているようだった。実は一時は重篤となられご家族も大変心配されたようであったが、出来上がった句集を手にされたとたん奇跡的に回復されたということだ。素晴らしいことだ。 ことりさんは「あとがきに代えて」で次のように書く。 「久永つう」を弟子と呼べることを私は誇りと致しております。誇れる弟子を得たこと。俳人にとってこれに勝る幸せはありません。そして、本句集を以て「久永つう」という、確固たる俳人の存在を皆さまに知って頂けますことに、万感の思いでおります。師として、又、同じ俳人として、久永つうに限り無い敬意と感謝を捧げます。 この句集の担当は愛さん。愛さんの好きな一句を紹介すると、 石段を登り終はれば萩の風 わたしは、集中次の一句を見つけた。 まもなく「子どもの日」がやってくる。 震災の被災地で復興にむけて闘う人たちに捧げたいような一句である。 生命ある者へと泳ぐ鯉のぼり お客さまがひとり来社される。 保科次ね子さん。俳誌「百鳥」に所属の俳人である。 主宰の大串章氏よりすでにご紹介をいただいていた方である。 今日は句集の原稿を持って相談に見えられたのだ。 「一時は句集をつくることを断念しようかとも思いましたが、回りの俳句仲間から励まされて句集を刊行することを決心しました」と保科さん。 いろんな見本をご覧になって造本を決め、担当の愛さんに句稿を渡したあとは、晴れ晴れとしたお顔で返って行かれた。 スタッフの優明美さんは、「ふらんす堂通信」の編集を担当し、本づくりもし、データ管理もするという「なんでもできちゃうスタッフ」である。短大を卒業して出版社に就職しそこでかなり中心的に仕事をした後に英語の勉強をしたいと四年生の大学に入り直し、その大学生であったときにアルバイトとしてふらんす堂で働いたのだ。その時も単なるバイトさん以上の仕事をし、ふらんす堂を構造改革した立役者である。大学卒業後もふらんす堂で働くことを決めてくれたときわたしは力強いスタッフを得たことを心から喜んだのである。 今日は、三月で辞めたカトさんのあとを引きついで書店周りをしてくれた。 都内の主な書店をまわり書店担当者さんに挨拶をし、売れ行きや在庫状況をしらべ商品がちゃんと並べられているかどうかチェックする。 今日は紀伊国屋書店本店、八重洲ブックセンター、丸善丸の内店、東京堂書店などを回って貰った。 ブログに写真を掲載してもよいという書店さんのみ紹介します。
by fragie777
| 2011-04-06 18:52
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