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2月16日(水)
猫と言えば、ちょっと思わず笑ってしまった。 先日猫好きで有名な大木あまりさんと電話で話していたときのこと。 あまりさんはご存じのように今年度の読売文学賞を受賞されていまいろいろと身辺がお忙しいようだと思うのだけど、 「ねえ、yamaokaさん、聞いて! 猫たちがね、みんなわたしの方をうっとりしたような目で見るの。今はね、恋猫の季節なんだけどさ、恋にもはしらずみんなわたしのそばに来てうっとりしてんの。これは、きっとわたしが賞を貰ったからなのよね……」 あまりさんにおいては、読売文学賞の受賞の喜びもまた猫たちに還元されていくらしい。 わたしは思わず「へええ、猫たちが……」って言って、猫たちに囲まれてしているあまりさんを思い浮かべて、笑ってしまったのだった。 「ふらんす堂通信127号」の編集室よりでちょっと触れたのであるが、ふらんす堂は引っ越しをすることになった。 えっ、この居心地の良い仙川を離れるのかって……。 いいえ、そうではない。 きわめてご近所への引っ越しである。 大声でわめけば聞こえる距離?っていうほどは近くないが、2、3分ほど歩いていけばいいくらいの近さだ。今度は商店街のただ中になる。 商店街の小さな新築のビルの二階が私たちの仕事場となる。今度は看板も出せるのが嬉しい。 予定では3月末から4月のはじめにかけてが引っ越しとなると思うが、まだ目先の仕事をこなすことが精一杯で引っ越しをするということの現実感がないのだが、それでも建築士さんとの打ち合わせがあり、あるいは融資をうけるために銀行員さんがやってくる。仕事の合間にそれらのことも割り振りながら、いろいろな打ち合わせをしてわが机に戻ればこれからしなくてはならない仕事が山積みではかどらずため息をつく、という状態である。 いまのこの仕事場にも実は愛着があって、わたしなんかもう20年くらいここにいるわけなのでいったい本当にふらんす堂は引っ越しをするのだろうか……といまも疑心暗鬼なのだ。 でも今日はお昼にちょっと新しい仕事場となるところまで建築士さんたちと行ってみた。 明るい日差しのなかで小さなピカピカのビルを見上げるとそこには出版の夢がつまっているように思えた。 ああ、あそこの窓のところにふらんす堂の刊行書籍を並べてみたいなあ……。 わたしたちのつくった本が晴れやかな顔をして浮かんできたのだった。 午後はお客さまがお見えになる。 馬郡(まごおり)民子さん。俳誌「蘭」に所属する方で今日は句稿をもってご来社下さった。 20年間の句歴の方であるが、「今回思いきって句集にすることを決心しました」とおっしゃる。 造本も決めておられたということでやはりフランス装でということに。 フランス装の本をつくるのは私たちもとても嬉しいのだった。 写真の後ろの本棚の本がスキスキでしょう、いつもと違って。 これは引っ越しのために本を整理しはじめているのです。 これを見ると改めて、 ああ、やっぱり引っ越しするのか……。 と。 わたしとしてはちょっと複雑な思いが実は、あるのです。
by fragie777
| 2011-02-16 20:45
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