3月26日
今日は横浜で、俳誌「百磴」(雨宮きぬよ主宰)の十周年をお祝いする会があり、出席する。ふらんす堂ではこの記念の会のために会員の皆さまの合同句集をつくらせていただいたのである。場所はホテルニューグランド、横浜港を目の前にした伝統あるホテルである。なにしろ祝会が行われる部屋の名前が「ペリー来航の間」(ウーン素晴しい!)。5周年にうかがった時もこの部屋だったのであるが、おおきな絵が飾られており、その絵には刀をさして帽子をかぶった侍たちがこちら側にずらっといて、その先には横浜の港がひらけ、ペリー提督が乗ったアメリカの船がまさに港にむかって進んできているという絵なのである。歴史的瞬間の場面である。この格式のあるホテルで晴れやかに十周年のお祝いの会は行われた。この度の合同句集を直接に担当された木野泰男・なほみご夫妻にお目にかかって御礼を申し上げることも出来た。
わたしは横浜という街が好きだ。電車をおり横浜の駅についた時から横浜は始まっている。異国情緒がたっぷりあり、頬をなでて行く風さえも「横浜にようこそ」と歓迎してくているようだ。歩道にもこんなふうに可愛らしいタイルがはめ込まれていて立ち止まってつくづくと眺めてしまう。山国育ちのためか、海を目の前にすると日本という地表の端にいて、日本ではないものにつながっていく、境界がありその境界をガリバーのようにひと足で越えられるような幻想にとらえられて、とても魅力的だ。(山岡喜美子)