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6月7日(月)
あじさいのところにいた亀虫。 ところでこの亀虫はみずからの美しさを知っているのだろうか……。 フウーッ……! 月曜日のブログを書くしょっぱなからため息である。 このため息は、夏休みが終わる日の宿題をやっていない小学生のため息と同じだ。 わたしもずいぶん宿題をためこんでしまったのだ。 ブログで紹介しなくてはならないことがあれこれあって、さて、どこから始めたらよいものやら、 フウーッ……。(とふたたびため息) よし、気をとりなおして、新刊句集からいこう。 粋な合同句集ができあがった。醸句会合同句集『舌句燦燦』(ぜっくさんさん)である。 日ごろ愉快に酒を飲んでいた仲間の一人が、ある時突然、突拍子もないことを言い出した。「酒を飲んで、肴を食って、世間ばなしばかりしていたって能はない。そこで提案だが、俳句でも詠み合わないか?」それを聞いた一同、はじめは皆ギョッとした様子であったが、しばらく沈思の後、「それは面白い。一度やってみようじゃないか」ということで話は決まった。そのときのメンバーは八人で、小島敦(以下敬称略)は読売新聞東京本社常務取締役、乳井昌史同文化部長、北村行孝同科学部長、三島勇同科学部次長、鷲尾賢也講談社取締役、和泉功同次長、秋山洋一にんべん専務取締役、そして私こと小泉武夫は東京農業大学教授であった。いずれも錚々たるメンバーなので、衆議一決どころか即決で俳句の会をとにかくやってみることになった。私以外は皆社会的に活躍している堂々たる文化人ばかりで、なかでも 鷲尾賢也は小高賢の別名をもつ第一線で活躍する歌人である。 序文をかかれた小泉武夫(醸児)の序文からの引用である。 その後、水野喜法(イズミ食品社長)、平野正明(山金水産社長)、麻生昭子(書家)が加わり、それぞれに水野出味(いずみ)、平野ぎょ正(しょう)、麻生翼(つばさ)と号した。また、ときどき「ばれ句」と称して、少々みだらな、あるいは男女関係を秘めた艶のある句を詠むこともあったが、これなどは私がもっとも好む句なので楽しいものであった。 こうして醸句会が回を重ねるごとに詠み人各人の腕は上達し、ついに平成二十二年二月二日の会で、三十回という節目を迎えた。そこでこれを記念して、これまでの作品のなかから詠み人が自ら選んだ三十句を収録した「合同句集」をつくることになり、それを上梓したのが本書である。 とあるように、さまざまに活躍する文化人たちが食や酒をとおして交流をふかめてゆくなかで、ふと思い立って句会がはじまり30回を迎えた。それを記念しての刊行である。 12人がそれぞれ30句とエッセイをよせているもので、はじめての俳句に悪戦苦闘しながらも俳句の楽しさに魅せられて懸命になっている姿が彷彿としてきて、読むこちら側もおもわず微笑んでしまう、そんな楽しい句集である。エッセイの行間からも、社会的には立派な紳士(ムッシュー)やマダムが、なりふりかまわず句吟している様子や選評の厳しさで落ち込んでいる様子などがいきいきとつたわってきてにやっとしてしまう。すっかり皆さん、俳句の虜になってしまっていますねえ。すべて「席題」によって作るものであるから、それぞれ同じ題でどう詠んでいるかの違いが歴然とわかりそれも面白い。 12人のなかのお一人、新聞社の文化部長さんの「ふらんす堂につくってもらおう、あそこはきれいな本をつくるから…」という一言でふらんす堂に決まった。と、この編集の労をとられた小高少賢さんこと小高賢さんは教えてくれた。「だからきれいに作ってよ!」って言われ、まっ、頑張りました。装丁はPさん。彼女もがんばってくれた。 先日句集ができあがって皆さんの手元に届けられ、そして再び句会があったという。 「ありがとう。みんなすごく喜んでました」と小高さんの電話で、ほっと胸をなでおろした私だった。 ゾウガメのいのちのながき麗日や 鬼笑 静けさやつららの夜の湯殿かな ぎょ正 正岡の黄なる背表紙子規忌かな 茶来 遠山や青田の風の行き止まり 枝光 うぐいすのいまだつたなき向こう岸 少賢 それ逃げろ月夜畑の裸の子 醸治 屋上にタバコ火一つ見ゆ夜寒 蒼犬 夏萩の月に照らされ影うすき 翼 灯に黒くうるめいわしの腹光り 出味 それぞれの泣き顔うかぶこどもの日 敦公 冬支度ほんとは知らぬ妻のこと 南酔 菜の花に誘われるまま里帰り 北酔 収録作品から一句ずつ紹介してみた。 今日はお客さまがおひとりみえる。 名取里美さん。句集の原稿をもってご来社された。名取さんは、俳誌「藍生」(黒田杏子主宰)に所属しておられ、おなじく「藍生」の高田正子さんや高浦銘子さんたちは学生時代からのご友人だ。 今度の句集は第三句集となる。前の句集『あかり』では、駿河梅花文学賞を受賞されている。句集名は黒田杏子氏がつけられたということであるが、句稿を読んだあとでその句集名をおもうといっそういい句集名であることがわかる。 なんと言う句集名かはまだ内緒。 句集ができあがってからのお楽しみに。 ふたりの息子さんのお母さんであるということだが、大学生の息子さんがいるとは思えないほど若々しい。 まだ、宿題はのこっているのだが、お腹がすいてしまってもうダメ。 だからもう帰ります。
by fragie777
| 2010-06-07 19:42
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