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4月10日(土)
白いコートが映えるうららかな日差しがやっと地上に射しはじめた。 だからわたしは休日の午後を家を抜け出て、あかるい太陽のひかりに身をさらした。白いコートをはおりトルコブルー色の、ボッチチェリの「春」の女神の体を覆っているヴェールよりももうすこし手触りのあるスカーフを巻いた。そのいでたちは武蔵野の郊外を散歩する中年女というよりも、パリの町並みを新聞を脇にはさんで颯爽と歩くしゃれたマダムのようね、とひとりでいい気になって悦に入っていた。 わたしがそう思ったって空を飛んでる雀たちが仰天して落下してくるわけではないわけだから、まっ、いいでしょ。 許されよ……。 散歩と言ったってやっぱり足は仕事場をめざす。 今日は家々の紫木蓮がとりわけきれいだった。 いまこのブログをかきながら、ちょっといろいろとある胸中をどう表現すべきか、なんて考えてる。 書棚にあった吉田(兼好)さんの『徒然草』をとりだしぺらぺらとめくってみた。(わたしだって読むんよ…) 自分の思いを昔の人にたずねるっていうの案外好き。 けっこう気のきいたことを言ってくれたりして、そうよ、そうなのよ。って思っちゃったりする。 そしてある箇所にたちどまった。 言いえて妙、というのとはぜんぜん違うのだけど、吉田さんの考え方がふるっている。 こんな面白い段があったのか……。 この段ははたして有名なんだろうか。 後半のところの三分の一のみ紹介します。 虚空よく物をいる。我等が心に念々のほしきままに来り浮ぶも、心といふもののなきにやあらん。心に主あらましかば、胸のうちに、若干(そこばく)のこと入り来らざまし。 吉田さん、 前半はもっと具体的なことで語っています。興味のある方は読んでみてください。 その場所は、 あなただけに、そっと 教えちゃいます。 第235段の「主(ぬし)ある家には、」ではじまるヤツ。 じゃ、おやすみなさいませ。
by fragie777
| 2010-04-10 22:47
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