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10月25日(日)
昨夜からのつづきで「夜」のことを思う。 昨夜もちょっと話題にしたのが、ふらんす堂文庫『高柳重信句集 夜想曲』だ。 これは「夜」をテーマに、高柳重信の多行俳句と高柳が山川蝉夫として発表した一行俳句をそれぞれ響きあわせるように編集したものである。中村苑子編となっているが、これは「あとがき」にもあるように皆吉司さんの発案でもあり、タイトル「夜想曲」は彼の命名である。栞をよせられた大岡信氏が、「この題はえらく重信のロマンティシズムによく似合う」と…。 遂に 谷間に 見出されたる 桃色花火 酒を下さい 夜の調律ができません ページをくるごとに死の気配にみちた甘美な夜が展開していく、魅力的な一冊だ。 「夜想曲」で、最近よんだカズオイシグロの短編小説集『夜想曲集』を思い出した。 「音楽と夕暮れをテーマ」にした味わい深い短編集だ。一読後こころに切ないカタルシスを残す。 そして、言うまでもなくショパンの「夜想曲」。 わたしはアシュケナージのピアノでよく聴くが、いずれにしてもこれは四ッ谷龍さんの領分である。「夜の形式」の講演でのテーマにおおきく関わってくるだろう。 今日は、ふたつの俳句結社のお祝いの会がある。 まず、俳誌「風土」(神蔵器主宰)創刊50周年の会が目白の椿山荘でおこなわれる。 こちらは、わたしが出席。 もうひとつは、俳誌「篠(すず)(岡田史乃主宰)」創刊25周年の会」があり、こちらはスタッフの愛さんが出席。 俳誌「風土」は石川桂郎を師系とする50年の伝統のある結社だ。そのご挨拶で神蔵主宰は、 「自分の顔をもった句を作れ」と語る。これはすなわち石川桂郎言うところの「てめえの面(つら)を持った句」ということであると。そして今は亡き俳句の仲間・北海道の俳人斎藤玄についてこう語る。 「闘病で死を目前にした斎藤玄は、命は惜しくないが、一日早く死ねばそれだけ俳句ができない、それが悲しい…と。」 俳句への思いにあふれたご挨拶だった。 挨拶をされる神蔵主宰。 俳誌「篠」の会もたくさんの来賓の方があり、とても華やかであったと愛さんより報告がある。 「風土」「篠」の皆さま、今日はおめでとうございました。
by fragie777
| 2009-10-25 22:05
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