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10月20日(水)
昨日はとてもいい天気だったので、ちかくのオープンカフェでお昼を食べた。 これは、スタッフの緑さんのデスクトップ。 熱狂的なヤクルトファンである緑さんなので、全員ヤクルトの選手である。 休日は野球観戦によくでかけ、いつも静かな緑さんとはうってかわって大声で応援してくるらしい。 今日知ったのであるが、緑さんはカトリック教徒で「ベルナデッタ」という洗礼名をもつ。 この「ベルナデッタ」は、わかる人はすぐピンとくると思うが、あの遺跡「ルルドの泉」で有名な聖女ベルナデッタのことである。 新刊句集ができあがる。八塚綾さんの句集『盃ふたつ』。 「わあ、なんて粋なのー」 出来上がった句集を手にとってわたしが発した言葉である。縦縞がすっと通って渋い色遣いであるけれど華のある句集が出来上がった。装丁者ば君嶋真理子さん。俳誌「泉」(綾部仁喜主宰)の同人である八塚さんは来年90歳をむかえられる。60歳で俳句をはじめられ約30年、その間ふらんす堂より第一句集『百千鳥』を刊行されている。90歳で第二句集。あと10年して100歳になったら第三句集を出したいと、お世話くださった「泉」の編集長の藤本美和子さんに笑いながらおっしゃったそうだ。すばらしい心意気である。 到来の古酒に盃ふたつかな 句集名となった句だ。綾部仁喜主宰が帯文を寄せている。「東京下町育ちの著者の人付き合いは『盃ふたつ』の相対尽(あいたいづく)である。さればその俳句も自らの気ッ風の句となる」と。 たましひのだんだんかろき初紅葉 90歳のかたの俳句だとおもうと説得力がある。 腹へらば飯を食ふまで去年今年 爪切つて手足のふとるおぼろかな 桜蕊降る人間は人間科 日本語がわからなくなる赤とんぼ 子を産まぬかろさありけり吾亦紅 白髪に巷の風やクリスマス 初夢の啖呵を切つて覚めにけり 人の死におくれてゐたり桜餅 まなざしのうしろにありてあたたかし 「八十歳を過ぎてからの三度の骨折、夫の胃癌発症、二年半に及ぶ介護。さまざまなことがございましたが、投句を休むことなく続けることができました。これからもひたすら俳句の力を信じ、あきらめずに続けてゆきたいと思っております。」とあとがきに書く。「俳句の力を信じ」という言葉がとてもステキだ。 風呂吹きや夫の言葉はありがたう そして、わたしがおもわずあれっと思った俳句。 流星やいまなぜドストエフスキー なぜかわたしの回りでドストエフスキーが流行っているのだ。 「ねえ、あたたは誰が好き、イワン、ドミートリー、アリョーシャのなかで?」 「スメルジャコフが面白いな…」 などなど、つい最近交わした会話だ。『カラマーゾフの兄弟』のことだ。 90歳の下町のおばあさまの句集のおしまいのほうにちょこんとあって、なんだかあなどれないぞ、ドストエフスキー。 坪内稔典さんによる今週のねんてんは、金子兜太句集『日常』より。 白鳥来老人たちに5勺の酒 「5勺の酒」というのがいったいどのくらいなのか、たくさんの量ではないことがわかるが、ということで広辞苑でしらべてみたところ0,09リットルということ。ええっと、どのくらいかっていうと、つまりそんなには多くないっていうことかな……。
by fragie777
| 2009-10-21 18:46
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Comments(2)
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